軟膏剤(記号はO=オイントメント)
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一般的な「塗りぐすり」は軟膏剤です。軟膏剤には疎水性と親水性の2タイプがあり疎水タイプはワセリンや流動パラフィンなどが用いられ油脂性とも呼ばれています。特徴としては皮膚保護作用、かさぶた軟化作用があり皮膚への刺激性も低く、患部への薬剤の浸透性に優れています。通常は防腐剤は含みません。べとつきがあり使用感はあまりよくありませんが、ワセリンの病変部への刺激が少なく、湿潤面から潰瘍面、乾燥病変部まで広い範囲で使われています。またすり込みが十分でないとベトツキ感があって衣服などを汚すこともあり、特に活発に行動する小児は嫌がる傾向があるようです。親水タイプはクリームとも呼ばれていますのでクリーム剤として説明します。 |
クリーム剤(記号はクリームのC)?
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乾いているカサカサ部分に使われ「薬を塗っている」ことが判りにくく美容的に優れ、顔などの部位には適しています。
クリーム剤は
1)乳剤性基剤
2)水溶性基剤
3)懸濁性基剤
に分けられますがステロイド外用薬など主なクリーム剤は殆ど乳剤タイプです。 |
1)乳剤性基剤は水分と油脂を界面活性剤により乳化させたもので、主剤を皮膚に浸透させる作用が良好でべとつきがなく使用感に優れていますが、パラペンなどの防腐剤を含有します。そのため接触性皮膚炎が起こる可能性がまれにあります。乳剤タイプはさらに2つに細分します。 |
一つは水中油型基剤といって水の中に油が分散した状態(oil in water=O/W)のものでバニシングクリームと呼ばれています。皮膚に塗布して、しばらくすると塗布面が目立たなくなるので喜ばれますがやや刺激があり湿潤, ビラン面への使用は要注意です。 |
もう一方は逆のタイプで油の中に水が分散しているもので(water in oil =W/O)油中水型基剤、コールドクリームと呼ばれています。滑らかな塗布感で皮膚への刺激がバニシングに比べて一般的に低いとされています。 |
2)水溶性基剤はポリエチレングリコールを主成分とし吸水性があり浸出液を吸収し、湿潤病変部位を乾燥される作用を有しています。 |
3)懸濁性基剤についてはステロイド外用薬は少ないので省略します。 |
液剤(ソリューション剤とも云います)
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液体状の外用剤で水やアルコールなどを基剤としています。大きく分けて
1)乳剤性ローション剤
2)懸濁性ローション剤
3)溶液性ローション剤
に分ける事ができ、
いずれも防腐剤が
添加されます。 |
1)乳剤タイプは乳化剤の作用でお互いに混合しない2種類以上の液体が一つの液体中に微粒子状態で含まれているもので皮膚への浸透性が優れています。主にステロイドや尿素の基剤として使われています。 |
2)懸濁タイプは粉末薬を液体中に入れた合剤で使用前によく振ることが必要、塗布したあとに薄い皮膜をつくります。 |
3)溶液タイプはアルコールを基剤とし、薬剤の浸透と独特の爽快感をつくります。
いずれも頭部の毛髪のなかに湿疹が出たときなどに使います。 |
スプレー剤
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ローション剤の発展型で手軽に使え、拡散して患部に浸透させることができます。便利ですがその分、割高となっています。ほとんどが液化天然ガスの力で噴霧しますので火のあるところでは使えません。 |
粉末剤
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代表的なものとして亜鉛華があり、病変部に散布することで水分を吸収し、乾燥させる作用があります。 |
貼剤・テープ剤
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万金膏など昔は膏薬と称され外用剤はほとんどこのタイプでした。今はサロンパス等の湿布剤が代表的ですがステロイド貼剤も開発されています。病変して皮膚が厚くなったりひび割れができてしまった部分に使われます。
効力が大きく持続性に優れていますが、患部を覆ってしまうのでむれたりし、また毛穴や汗腺を塞ぐことになってまれに毛包炎を起こすこともあるようです。 |
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資料提供 |
日本アトピー協会 |
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