症状
◆日本皮膚科学会「アトピー性皮膚炎の定義・診断基準」
日本皮膚科学会では「アトピー性皮膚炎治療ガイドライン」の中で以下のような定義・基準を明記しています。なお次項の「ハニフィン・ライカ」の診断の目安もご参照ください。
◇アトピー性皮膚炎は、増悪・寛解を繰返す、
 掻痒のある湿疹を主病変とする疾患であり、
 患者の多くはアトピー素因を持つ
家族歴・既往歴
(気管支喘息、アレルギー性鼻炎・結膜炎、
アトピー性皮膚炎のいずれか、あるいは複数の疾患)
IgE抗体を産生し易い素因
◇アトピー性皮膚炎の診断基準
1)掻痒
2)特徴的皮疹
  の分布
a)皮疹の湿疹病変
急性病変=紅斑、浸潤性紅斑、丘疹、漿液性丘疹、鱗屑、痂皮
慢性病変=浸潤性紅斑、苔癬化病変、痒疹、鱗屑、痂皮?
b)分布  左右対側性
好発部位:前額、眼周、口囲、口唇、耳介周囲、頸部、
     四肢関節部、体躯
参考となる年齢による特徴
乳児期   :頭、頭にはじまりしばしば体幹、四肢に降下
幼小児期  :頸部、四肢屈曲部の病変
思春期成人期:上半身(顔、頸、胸、背)に皮疹が強い傾向
3)慢性・反復性経過(しばしば新旧の皮疹が混在する)
  乳児では2ヶ月以上、その他では6ヶ月以上を慢性とする
上記1)2)および3)の項目を満たすものを、症状の軽重を問わずアトピー性皮膚炎
と診断する。その他は急性あるいは慢性の湿疹とし、経過を参考にして診断する。
◇除外すべき診断
  接触性皮膚炎
  汗疹
  脂漏性皮膚炎
  魚鱗癬
  単純性痒疹
  皮脂欠乏性湿疹
  疥癬
手湿疹(アトピー性皮膚炎以外の
     手湿疹を除外するため)
◇臨床型(幼小児期以降)
 
四肢屈側型
  四肢伸側型
  小児乾燥型
  頭頸上胸背型
  痒疹型
  全身型
これらが混在する症例も多い
◇診断の参考項目
 
家族歴
(気管支喘息、アレルギー性鼻炎・結膜炎、アトピー性皮膚炎)
  合併症
(気管支喘息、アテルギー性鼻炎・結膜炎)
  毛孔一致性丘疹による鳥肌様皮膚
  血清IgE価の上昇
◇重要な合併症
 
眼症状(白内障、網膜剥離など)=とくに顔面の重症例に
  カボジー水痘様発疹症
  伝染性難属腫
  伝染性膿痂疹
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資料提供 日本アトピー協会