環境の要素
◆吸引要因=吸引アレルゲン
カビの胞子、ダニの屍骸などはもっとも危険度の高い吸引アレルゲンです。別に項目をつくって掲載していますのでご参照ください。
動物の分泌物 動物の毛などに反応が出るのは毛自体のこともありますが、たいていは毛づくろいしたときに毛に付着する唾液成分でネコはイヌの100倍も強力に反応すると云われています。羊の毛に含まれるラノリンに反応が出ることもあり、この場合は「ムートン」は避けましょう。ウマのアレルギーは少ないようです。
アレルギーを持っている方はペットの飼育は避けたほうが賢明です、鳥ではハトは病原菌が、またインコやオウムはダニが心配です。どうしてもペットを飼いたいというなら熱帯魚がやや無難でしょうか。
なお見過ごされるのが昆虫で、とくに「が」は成虫も幼虫も要注意です。
花粉 花粉自体に罪はないようです。花粉も特有の高分子で構成されていますのでクサリの長さ(分子量の大きさ)でアレルゲンになっているとも考えられますが、どうやら花粉と化学物質が結合した複合物が悪さをしているという見解のようです。花粉は窓より屋内にはいりこんでくるほか、衣服などに付着して入り込んでくることも無視できません。玄関口でのブラッシングの習慣をつけてください。
また空気清浄機を活用し、室内環境を清潔に整えましょう。ただしマイナスイオン効果に関しては測定方法が未確立で本当のところは判りません。「ムード」と「ブーム」の効果でイリュージョン(幻影)が作られているようです。
揮発性有機化合物
(VOC)
シックハウス症候群を引き起こすだけでなくアトピー性皮膚炎にも大きく影響します。家具売場の前を通っただけでホルムアルデヒドに反応し顔が真っ赤になった患者さんも多くおられます。また住居内の構造物で塩ビ系または酢酸ビニル系の接着剤を使っている場合、大きな影響をうけます。アレルギーの方が避けるべき主な揮発性有機化合物(VOC)を以下に列挙します。(厚生労働省室内空気質基準より)
 
◇主な揮発性有機化合物(VOC)
■ホルムアルデヒド 指針値0.06ppm
アルデヒドケトン化合物  分子量30.03
家具全般、カーペット、合板、壁紙、シャンプー、香料
■トルエン 許容量0.07ppm
芳香族化合物       分子量92
塗料面、塗料材料、多目的接着剤、カーワックス、ガソリン
■キシレン 指針値0.20ppm
芳香族化合物 分子量106
ペイント油性塗料、ラッカー油性塗料、油性ニス、木材防腐剤
多目的接着剤、ワックス
■パラジクロロベンゼン 指針値0.04ppm
含ハロゲン化合物 分子量147
多目的接着剤、塗料
■エチルベンゼン 指針値0.88ppm
芳香族化合物 分子量106
ラッカー油性塗料、ラッカー薄液
■スチレン 指針値0.05ppm
芳香族化合物 分子量104.1
断熱材、建材
■クロルピリホス 指針値0.8ppb
有機リン化合物
防蟻剤、農薬
■ジブチルフタレート 指針値0.02ppm
多目的接着剤、塗料
クロルピリホスの指針値の単位ppbはppmの千分の1を示します。
ページを充実したく、内容に関してお気づきの点がございましたら、お知らせください。
資料提供 日本アトピー協会